「………あのさ、

高橋くん、もしかして責任感じてたり…する?」



俺の隣に座り、雨宮は美波に視線を置きながらつぶやいた。


その言葉に、思わずうつむく。



ああ、そうか。




責任。




あいつを一人にしてしまった責任を感じてるんだ、俺は。




「まったく………。

なぁんで高橋くんが責任感じてるわけ?

高橋くんは美波を助けたわけだし、むしろ誇ってもいいでしょ?」



「助けるのは当たり前なんだよ…

その前に、俺があいつを一人にしちまったから………

だから、あいつはあんな怖い思いをしちまったんだ…」



「………はぁ」




雨宮は俺の言葉に対し、ため息をついた。


ため息をつかれるほど呆れられたらしい。



恐る恐る雨宮の表情をうかがうと、雨宮は俺が視界に映っていないかのように遠くを見ていた。



そして、俺の反応など気にせず、無表情で言葉を続けた。




「やめなよ、そういうの」




きっぱりと、雨宮はそう言った。