「高橋くん、大丈夫…?」



「………え?

あ、ああ………」




浜辺に座りながらぼんやりとしていると、ふいに雨宮が声をかけてきた。


いつからそこにいたのだろうか。



雨宮は心配そうな表情で俺を見つめていた。




「まあ、そんなに落ち込まなくていいんじゃない…?

結局、美波は助かったわけだしさ」



「それは………

……そう……なのかもしれないけどよ………」




俺は複雑な心境の中、千鶴達と一緒にいる美波を見た。





結論から言うと、美波は助かった。


意識を失ったとはいえ、早急な対応が幸をそうしたのか、今は普通に千鶴と談笑している。



念のため病院に行くよう言ったのだが、美波はそれを拒んだ。


もちろん、無理矢理にでも行かせようとしたのだ。


だが、美波は「大丈夫だから」の一点張り。




俺が今、複雑な気持ちなのはそんな美波の体が心配なのか、それとも………