妹なんていらない

「俺はな、いつだって最低限優しくしてやってるつもりだ!

それが、どんなに、嫌いなやつでも!!

それを邪険に扱われたり!!

からかわれたりしたら、腹がたつに決まってんだろ!?」




気づいたら吠えてた。


感情のままに、情けないくらい感情に任せて吠えていた。



そんな俺を見て、雨宮は少しだけ眉を寄せた。




「…やっぱガキじゃん?」



「お前っ…!!」



「いつも優しく?

誰が?誰に?

高橋くん、優しさの定義分かってる?」



「分かってるよ!!

俺は、俺なりに!!」



「自分なりに?

へぇ………高橋くん、ガキな上に馬鹿なんだ」



「っ………!

このっ…!!」




雨宮はいつもの表情とは打って変わって無表情。


からかうだとか、おもしろがってるとか、そういった表情とは違っていた。



そして、その無表情のまま、俺を見続ける。




「高橋くんはさ、優しさって何か、わかってないよ」