妹なんていらない

「あれあれぇ?

高橋くん、美波についてなくていいのぉ?」



いつの間にか海から上がっていたらしく、砂浜にしいたシートに寝そべる俺の前には雨宮が立っていた。



ニヤニヤと笑いながら言うあたり、からかっているつもりだろう。




「…知るか、あんなやつ」



「うわぁ、ガキっぽいセリフ。

高橋くんって案外子供?」



「……………」




…どいつもこいつも。


人の平穏を邪魔しやがる。



俺が子供だ?ガキだ?


どっちがだよ。


美波の方がよっぽどガキじゃねぇか。


雨宮の方がよっぽど子供じゃねぇか。




「なぁんだ、つまんない。

高橋くん、言い返せなくなったらシカト?

やっぱりガキじゃん」



「っ………!

あのなぁ!!」



「………なぁに?」




起き上がると、雨宮はにんまりと笑みを浮かべていた。