雨宮はモデルのようなスタイルにアイドルのような整った顔。



長い髪をさらっとなびかせたその姿に、一気にクラスの野郎どもは目の色を変えた。




「ふむ、受験シーズン、夏休み前に転校してくるとは変わった転校生だな」




そうそう、こいつは例外だ。



美少女だとか美人だとかの話題には異常な関心を見せるくせに、それを目の前にしても大して反応を示さない。



要するにこいつは珍しいもの好き、とゆうか、野次馬精神が旺盛なのだ。



実は、これが俺がこいつを馬鹿だと思う理由の一つだ。




「お前もあまり興味がないみたいだな」



「まあな」




美波と一つ屋根の下で暮らしているせいか、俺は美人だとか美少女だとかの類が正直苦手だ。



まあ、その中には千鶴とかの例外もいるわけだが。