少女の反応に湊は首を傾げた。




「このタイムマシンで行える時間移動は二回までなんです。

………あ、二回っていうのは、行きの分と帰りの分の二回です」




湊が信じてくれた(と思っている)からか、少女の口調は明るかった。



それに対し、湊はキョトンとしている。



キョトンとしている姿は、湊としてはあまり見ない姿で、とても不自然なものだった。




「二回………だけ?」



「はい、二回です!」



「「……………」」





妙な沈黙が二人の空間を支配した。



その空間を打破しようとしたわけではないが、湊はその言葉を言わずにはいられなかった。




「………どうやって帰るんだ?」



「………え?
それはもちろん………」




数秒後、山中に少女の叫び声が響き渡った。