ホワイトデーまでの賭け(短編)


カタッ。


物音がして、後ろを振り向くとそこには琴絵が立っていた。


「おかえりなさい」


少し仏頂面なのは、この時間のせいだろう。真夜中だ……



「バレンタインの時、びっくりしちゃったわ。まさかあなたからカードまでもらうなんて思いもしなかった」



泣いている俺に静かに話しかける琴絵は、久し振りに会ったからか少し痩せたように感じた。



「ありがとう。朝起きる度にあなたが守ってくれているようで嬉しかった」


思いもよらない言葉が琴絵から飛び出した。


「それ、ホワイトデーのお返し。なんか逆になっちゃったけどね」


そう言い、琴絵はクスッと笑った。