涙で歪む世界を走りながら
トイレに向かう。
こんな姿見られたら困る

ドンッ
「ごめんなさ……」

ぶつかったのは
息を切らした阿部孝裕だった。

私を見ると腕を引っ張って
階段を下りはじめた。