「あっ!負けた…」

「未央ちゃんの負けだね」


「買ったのは誰?」

「北村さん達だよ」

「じゃあ、未央ちゃんは負けたから、
私達のランドセルを持って」


「北村さん、どこまで歩いたらいい?」

「じゃあ、歩きながら決めるから、いいよって所まで持ってて」


「わかった」


「北村さん、もういい?けっこう歩いたよ」


「私の家までもう少しだから私の家まででいい?」


「北村さんの家までは、遠いよ。
もう少し近くにしない?」


「それに、私、少し疲れた」


自分のランドセルを背中に1つ前に1つ、右手と左手に1つずつで、体はランドセルでいっぱいだった。