確実に、っていうか絶対、柚ちゃんは准に用があった筈だ。


だってここは准の学校だし。






…なのに、





柚ちゃんはナンパされ、捕まって、何故かその内の一人と親しげに話している。



…相変わらずだと思うけど、柚ちゃんってすぐ友達作るよなー。



………って、んなこと暢気に考えてる場合じゃなくて。







この場合って助けた方が良いのか?


いや、でも結構楽しそうだし。


……でも。







と自問自答している時だった。






「離してっ!」


「それも可愛いー」



親しげに話してた奴じゃない奴に、柚ちゃんは急に腕を掴まれていた。




いや、助ける助けないじゃねぇ!!



助けようと走り出そうとしたその時だった。







「離せよ、そいつ」


全力疾走でやって来た…実の弟、准がいた。