奈央は飛行機が初めてらしい。

飛行機に乗ったことないやつなんて
この世に居たんだ(笑)



「拓海…?怖くないの?」

今にも泣きそうな奈央。


「慣れた。」

「あの…手、握ってていい?」


いきなり可愛いこと言うなよ。

ドキッとしたじゃねーか。


「ほら。」

俺は手のひらを上に向け肘掛けに置いた。



「ありがとう…。」




「──まもなく離陸します。
シートベルトをおしめください。」