それでも人と話すのはまだ少し苦手で




亜季の存在が私にとっては本当にありがたかった。






キーンコーンカーンコーン


ガラガラガラ……


鐘がなったと同時に教室のドアが開いた。




クラス中の視線が一点に集中する。








『席着け。』



低い声、メガネの奥は笑っていない目。





私は見とれていた。



初めてなんだよ。




一目惚れなんて、



恋なんて、



見とれるなんて。




このアタシが今日会ったばかりのこの人に何でこんなに惹かれているの…?







もしかしたら、同じような目をしているから……。



冷めてて何を考えてるか分かんないとか



この人も言われ続けて来たんだろう。






性格が似てるから分かってしまうんだ、




胸の奥底に悩みを抱えていることを。