『話、聞いとけよ?じゃあ高宮。この問題、解いてみろ。解けたら座らせてやる』



そう言って私にチョークを差し出した。



口元を少しあげて。









数学が割と得意だった私には、この問題は解けそうな気がした。





答えを書こうと黒板に手を伸ばしたとき―――












『夜、カレーで。』






えっ?




先生は私にしか聞こえないように囁いた。







私はマジマジと先生を見つめることしかできない。












『…どうした?分かんないならこの時間ずっと立っててもらうぞ?』








いや、さすがにそれはキツい。



書くだけ書いて自分の席に戻る。




ていうか、何今の?!


頭の整理をするなに苦労する。







先生ってあんなキャラだった?





カレーってことは…、材料買わないといけないよね?

今日部活が終わってから買いにいかなければ。













そんな事を考えてるうちに数学の授業は、あっという間に過ぎていった。