『ただいま……』


聞こえるか聞こえないかくらいの大きさで言ってすぐに部屋に向かう。




自分の部屋が一番安心する。





リビングには……


母親と酒に酔いしれた男。


男の顔は毎日違う。




お父さんはいない。



離婚してどっか遠くにいった。




母親も私のことをおろすのがめんどくさくて産んだらしい。




だからどうでもいい子供。




『あはははは』


高い声の母の笑い声が二階の部屋にまで聞こえてくる。






でも部活帰りで成長期の私にはお腹がすいてしょうがない。



食べるためにはリビングを通って台所に行かなきゃいけない。




渋々階段を下りて食料をとりにいく。