「実桜、遅れるわよ。早く食べちゃいなさい」


「は〜い!」


私はひと昔前の漫画のように食パンをかじりながら制服のリボンをつけた。



いつものわが家のいつもの朝食風景。



「いってきまーす!」





けど…



「あの日」に見た夢に意味があったんだと、わかるのはもうしばらくあとのこと。