「ほら、立てるか?」 私は何も言えず、元の背中におぶわれた。 佑…。 私にはその時、この恋がとてつもなく高い壁に遮られてるとしか思えなかった。 身分の違い? そんなのこの時代にまだあるなんて思わなかった。 いつになったら大切な人に好きと言える日が来るのだろう… いつになったら私はあの人に気持ちを伝えられるのだろう…。 ん? なんだろ? 私、こんなこと思ってる? いや、思ってるんだけどさ。 なんだかちいさな違和感を感じながら私はそこを離れた。