くるっと教室にもどりかけた私の手を引っ張るのはやっぱり元凶の彼で。



「ちょっと!どこに行くのよ?」



「学食。昨日のおわびにご飯おごりたいな、って思って」



「待ってよ。私お弁当持って来てるし、」



そうやって立ち止まった私をちらっと見てから佑はまた私の手をひっぱって歩こうとした。



「俺と食べればいい」


「やっ!あんた何様なのかわからないけどさ、学食に文科が行くとどうなるかわかってんの?あそこはあんたたちが利用するとこなの!私を巻き込むのはやめてよ」



あがった息で肩が上下する。



その時彼はとても寂しいような悲しいような顔をしたように見えたけど、



一瞬俯いたあと、またさっきまでの彼に戻っていた。


気のせいだったのかな?