秋明菊

彼が私に向かって投げたのは
ペットボトル。

それに私は
ますます理解ができなかった。

床に転がったペットボトルを拾い
彼のいるリビングへ歩いた。

『ちょっと！何これ！』

ペットボトルを彼に渡そうと
手を伸ばした瞬間
彼は勢いよく私の手を振り払い
私の胸ぐらを思い切り掴んだ。

物凄い目つきで私を睨み付け
私は彼に突き飛ばされた。

私は立ち上がり彼に向かった。
でも何度も突き飛ばされ
どうしたらいいのか
全く分からなくなった。

その日の鍋は中止。

私の小さな本音が
彼に聞こえてしまっていたのが
原因だったらしい。

彼に怒鳴られた。

テーブルにペットボトルを
置いていた私が悪い。

鍋の準備を１人で
手際よくできなかった
私が悪かったんだって。

今までの彼氏とは
あまり喧嘩をした事がない私は
なかなか言葉が出てこなくて
言い返せなかった。