ある晩、俺は彼女より先に店に来て待ちながらマスターと話した。

俺「マスター、彼女はいつも先に店に来てるよね?俺が来るまで、何か話しするだろ?」

マスター「いや、それが彼女は無口だよ(笑)ここのカウンターでヒエヒエに冷えたマティーニを片手に音楽を聴いてる。話しかけられない雰囲気を出してるねぇ」

俺「そっか。俺のこと何か言ってないかと思ってサ」

マスター「うーん・・何も言ってないけど。言ってたとしても、職業柄、言えないよ。ははは」

俺「俺、彼女を本気で愛してる。でも、まだ一度も・・」

マスター「身持ちの良い女なんだろうね(笑)焦るな」

マスターと会話したのは、その程度だ。

秘密をバラした?

なんのこっちゃ?

彼女は俺が彼女の秘密に気づいたと思い込んでる。

てことは・・彼女には何か秘密があるのか?

俺にもあるが(^^ゞ

彼女の秘密とは?

それは、なんだ?

知ってるフリをすれば・・

知ってることが前提なら・・

話が進んで、本当に知るかもしれない!

俺は彼女に大切なことを伝えるために、再び吠えた。

「てめーに 今すぐあいてーんだよ!文句あっか!よーく聞け!てめーの秘密を他人にバラすわけないだろ!俺は、お前をこの世で一番愛してる!お前の秘密のひとつやふたつ、受け入れられなくてどうするよ!え?文句あっか!」

「受け入れる?本当に?あなたの愛は変わらないの?」

「ああ。不滅さ。仮に、お前が本当の歳を偽って、100歳の老婆だったとしても!俺には今のお前の状態を信じる!俺はお前を愛す!」

「ああ!本当に!嬉しいッ!限りなくソレに近いほど驚いたことでしょうね。そんなふうに例えてくれるなんて・・今の私に不滅の愛ですってあなたって本当に優しい人ね!」

はぃ???

限りなくソレに近いほど驚くべき秘密だと?

ひえー\(◎o◎)/!

なんだ?なんだ?なんだろ?俺が知ってることになってる、彼女の秘密とは?

俺は知る前から、ソレを受け入れたことになってしまった!