キスも…



“エッチ”も…



って、マジかよっ!!



「菜々美…それはちょっと…」



「い~やっ!!」



「あんまりじゃ…」



俺は手を伸ばすと怒る菜々美の腕に触れた。



瞬間…




「触んないでっ!!エッチっ!!」



ベシッ!!



「あっ…」



バシッと手を叩かれた俺は、



ヤベぇ…



このままじゃ俺…



一生“オアズケ”くらっちまう。



菜々美に拒否られた手を見つめながら己の未来にがく然とした。



でも、



“ホワイトチョコ”で作ったなんて言ったら菜々美にますますバカにされそうだし…



って、



いやいや。



待て、俺。



よく考えろ。



ここで言わなきゃ俺は一生菜々美とエッチ出来ない…



それは絶っ対無理…



ってかイヤだから…



ここはプライドを捨てて…



「菜々美…」



「なに?言う気になった?」



クソっ!!



笑いたきゃ笑いやがれ。



「ホワイトチョコ…」



「えっ?」



「“ホワイトチョコ”で作ったんだよっ!!」



「…。」



俺は意地もプライドも捨て声を荒げると、ポカンと口を開ける菜々美からプイっと顔を背けた。