はぁ…



俺のバカ。



俺は潰れた箱を両手で持ちながらガクっと肩を落とした。



渡す気なくなったっていっても、



一応、俺の魂を込めて作ったケーキだし…



「はぁ…」



なんか涙…出そう。



俺は可哀想なことになった箱をチラッと見ると、



はぁ…



もう一度、大きなため息をついた。



まぁコイツが出来るまでにかなり失敗したし、



はははっ…はぁ。



このエンディングは、きっと食べ物を粗末にした俺への罰。



そう、チョコレートの神様とメレンゲの神様と…



って、“メレンゲ”は卵白から作るんだからタマゴの神様だな。



うんうん。



って、納得してる場合じゃねぇ。



とにかくっ!!



そんな神様たちが手を組んで俺に天罰を下したんだ。



うん。



そうだよっ。



そうに決まってる…って、



まぁ、あんだけ食いもんを粗末にすりゃ当然の結果だよ…



「ねぇ…」



「…」



「はじ…めっ!!」



「あっ…」



ヘコむ俺をよそに、突然、俺から潰れた箱を奪い取った菜々美。



「創…開けるからね。」



「…。」



「開けるよっ!!」



「…ん。」



もう、どーでもいいや。



そして投げやりになった俺をチラチラと見ながらゆっくりと箱を開けると、



「コレ…」



「…。」



「ケーキ…だよ、ね…?」



「…。」



菜々美は俺とケーキを交互に見つめながら目を見張った。