「なに？」



「うぎゃっ！！」



ドアを開けた瞬間、



玄関の前には、腕を組み仁王立ちした菜々美の姿。



「なっ…」



久々の再開に感動した俺は、



「なっ…菜々美ぃ～！！」



そんな菜々美をギュッと抱きしめた。



がっ…



「ケーサツ…呼ぶよ…」



「スイマセン…。」



ボソッと呟かれた言葉に俺はパッと腕を離した。



「菜々美…。」



「なに？」



怖ぇ…



目の前…いや、俺の目線のすぐ下には、かなり不機嫌そうな菜々美の顔。



手を伸ばさなくても抱きしめることの出来る距離なのに…



少し頭を下げればキスすることの出来る距離なのに…



「菜々美。」



「なに？」



「キスしてい？」



「ダメ。」



やっぱり…。



俺は菜々美から顔を背けると、はぁ…っと大きなため息をついた。