「あっ…あの…」



「ん?」



「ちょっと…スイマセン。」



「あっ…」



やんわりと、少し遠慮がちに俺を剥がしたオニーサンは、



「ちょっと…いえ、少しだけ待ってて貰えませんか?」



「は?」



キョトンとする俺をよそに、いそいそと店内へと入って行った。



なんだ?



そして3分後…



「大変お待たせ致しました。」



「いえ。」



「でっ、あの…コレ、なんですが…」



「…あっ。」



俺はオニーサンが差し出してきた“モノ”を受け取りながら目を見張った。



「あの…」



「はい?」



「コレ…」



「あぁ。えっと…お客様にはそちらの方がよろしい気がして…」



目の前には白い丸鉢に植えられたラブラブハート。



しかも…



「カワイィ…」



そう。



2つのハートが寄り添うように植えられていて…



「はい。」



俺はニッコリっと微笑むオニーサンにつられてニコっと笑みを零した。