プルルルル…



プルルルル…



プルルルル…



プル…



『あ?』



「工藤サンっ!!なんなんっすか、あの本っ!!全然出来ないんっすけどっ!!」



『は?』



「だから、」



『あ~お前か。でっ、何の用だ?』



怒る俺とは逆にあまりにも呑気な工藤サン。



「は?」



俺はそんな工藤サンの言葉に一瞬目を見張った。



何の用って…



「だ~か~らっ、“チョコ”っすよっ!“チョコ”っ!!あの本の通りに作ってんのに全然出来ないっすけどっ!!激マズなんっすけどっ!!」



『はぁ…』



「あの本おかしいんじゃないっすか?…って聞いてますかぁっ!!」



『ふぁ~…あっ、聞いてる、聞いてる。』



「って、ウソばっかりっ!!今アクビしたじゃないっすかっ!!」



『あ~悪ぃ悪ぃ…。』



「はぁ…」



なんなんだよ。



この人…



「ほんっと、しっかり…」



『でっ、』



「は?」



突然、トーンの低くなった工藤サンの声に俺はポカンと口を開けた。