「いやいや、まさか。そんなハズないっすよ!結婚って…俺ら、まだそんな年じゃないですし…」



「でも今年26だろ?」



「あぁ…まぁ…」



「付き合って7年…社会に出て3年…。菜々美チャンは菜々美チャンなりにイロイロ考えるんじゃねぇの?」



工藤サンは胸ポケットからタバコを取り出すとライターで火を点けた。



「イ…イロイロって?」



「う~ん…このままお前と付き合ってていいのか?…とか、まぁ7年も付き合ってりゃ好きだの愛してるだの、付き合いたての頃に比べて言うことも少なく…いや、下手すりゃ無くなってんじゃねぇの?」



「あっ…」



そういえば…



「図星かよ…。まぁ何が原因かは俺にもわかんねぇけどさ、きっと菜々美チャンは分かんなくなったんじゃねぇの?お前のことか好きかどうか。」


「は?」



俺は工藤サンの口にした意外な言葉にポカンと口を開けた。