「はぁ…」



それからというもの、



俺の頭ん中は菜々美のことでいっぱいで…



「はぁ…」



仕事もろくに手につかず…



デスクに突っ伏したままケータイばかりをいじっていた。



がっ、あくまで今は仕事中。



「結城、サボんなっ!!」



バシッ!!



「いでっ!!」



顔をあげれば、目の前には鬼のような形相で睨みつけてくる先輩…工藤サンのドアップ。



「これが菜々美だったら…はぁ~。迷わずチューするのに…」



「はぁ?」



「いや、なんでもありません…」



俺は眉間に皺を寄せる工藤サンをよそに、もう一度ため息をつくと渋々パソコンへ向かった。



「菜々美ぃ…」



そして残業間違いナシのペースでキーボードを叩き続けた。