迷子のコイ

あたしはナギの
カラッポになってる左手を
手にとった。


「ちょ・・・何!?」


いきなりつながれた手に
ナギはビックリしたみたいだった。


「いーじゃん、べつに~」


あたしはそう言って、
ますますガッチリとナギの手をにぎる。


「ちょっとぉ、アイリ、暑い!!」


「いーじゃない!
 子供の頃は 
 いつも手つないで帰ってたでしょ?」


「あんたはヒトより体温が高いんだから、
 夏はかんべんしてよ~」


「あっ・・・」


ナギはムリヤリつないだあたしの手を
さらにムリヤリはなした。


「もう~! ナギのケチ!!」


あたしはそう言いながらも
なんだか満たされたキモチでいっぱいだった。