迷子のコイ

「ふたりとも、
 お互いのことが
 すごくよくわかってる・・・」


あたしは全然
カケルのことがわからないのに・・・。


同じ、女同士だからか。


何かを感じ取ったように
彼女は笑った。


それは全然イヤな笑いじゃなくて
イイ感じの笑い・・・。

そうだ、
はじめて会ったときの美羽《みはね》さんは
こんなふうに笑っていたっけ。


「・・・アイリちゃん」


彼女はあたしを呼んだ。


「はい?」


「棚の下に、私のバッグが入ってるの。
 とってくれる?」


あたしは言われるがまま
ベッドの隣にある棚から
彼女の小さめのバッグを取った。


「ありがとう」


彼女はそのバッグを受け取ると
ファスナーをあけ、
中からキーホルダーを取り出した。


それは以前1度
見たことのあるモノ。