それが10月で

それから私と相馬君が話をすることもなく・・・

時々あの公園に行くと
お墓に花があった

だから
私も行く度に
お花を添えた

冬休み中に
公園に行ったときに一度だけ相馬君に会った

私がお花を添えて手を合わせてから振り向くと

そこに相馬君が居た


「やっぱり藤森が花・・・」

そういった相馬君の手にもお花があって

何も答えられないでぼんやりしてる私の目の前で
お花を添えた

「少し話す?」

ドキンッ

ベンチを指さして何故か照れくさそうな相馬君に
きっと真っ赤な顔の私は

「うん」

消え入るような声で答えた


相馬君はバスケの試合の事や
テストの事を話して

私はただ
頷いて聞いてた


相馬君の話が終わって
話すことの無くなったまま

無言でしばらく座ったまま
辺りは暗くなってきた

「・・・送るよ」

そう言って手を握られた

相馬君の手もかすかに震えてて
赤い顔してるように見えた

家の近くに来て別れ際に

「藤森が思った通りだったからよかった」

笑顔で相馬君は帰っていった

それ以来
学校で顔を合わせても
挨拶すらしないくらい

前と変わらない関係だった