私は口を挟んでしまう。

『先生、どうして私は・・・。』

先生は、私が聞きたいことを
察してくれたようで
話を続けてくれる。

「君は、自分のせいでお姉さんを
死なせてしまったという意識が強く、
ひどく傷ついて心を閉ざしてしまった。

君は精神的な強い
ストレスで記憶を失った。

君の場合、前向性健忘と言って、
今までに起こったことは
覚えているのに、
記憶喪失の原因を受けた時点からの
ことが記憶できないという
記憶喪失なんだよ。」

『先生、私は記憶喪失に
なっただけ何でしょうか?
それだけじゃ説明がつきません。
だって、麻莉亜の死ぬ前の
記憶さえも曖昧なんです。』