『鏡の中のマリア』

彼は私の初恋の人だった。


中1の頃うちの学校であった
バスケの試合を見て・・・
彼に一目惚れした。


彼の名前は佐伯 智哉(サエキ トモヤ)
私の1コ年上。

爽やかでバスケが上手くて、
私の憧れの人だった。


彼はバスケが有名な名門中学の生徒で、
うちの学校には練習試合で時々来ていた。

バスケの大会を見に行くように
なった私は、いつも彼を目で
追うようになっていた。


彼の学校は高校までの
エスカレート式で、
卒業してからもOBとして
大会をよく見に来ていたのを覚えている。


中3の春、
学校から帰ると家の前に
私の好きな彼がいた。。。

私に気づいた彼は
近づいてきて


「藤井さん。
俺、佐伯智哉っていいます。

君は知らないかもしれないけど、
君のこと前からずっと見てて
好きになりました。

よかったらつきあってくれませんか?」
爽やかな人に爽やかな告白をされ

『ハイ。』
としか言えない私。

心臓がドキドキした。
トックン・トックン・トックン・トク・トク・トクトク・・・


壊れかけの私の心臓の音。

(・・止まっちゃう・・・・・

 誰か・・・助けて。。。)


胸を押えつけそのまましゃがみ
こんでしまった。