先生は一瞬椅子の上で座りなおし
私に向かい諭すように
「それは、賛成できないな。
翔子・・いや、君のお母さんも
やっと乗り越えたんだよ。

もし君に万が一のことが
あったらお母さんは・・・

わかるよね?

もし、記憶が自然に戻るならそれはそれ
でいいことだと思うよ。

でも無理に記憶を呼び起こすことはとて
も危険なんだ。」


何も言えなくなった…。
(お母さん…)



お礼をいい部屋を出ようとする私に先生が

「お母さん元気?」

ただその一言で

先生は母親に好意があるのがわかった。