「俺、蜜花のコトもっと知りたい」

それが始まりだった。それに「人間の集中力は1時間程度しか持続しないから」って。

だから、残りの30分は色んなコトを話した。

好きなアーティスト、今まで観た中で1番感動したドラマ、最近観た映画……数えればキリがない位。

ドラマの話題では先生との歳の差を感じて可笑しかった。

私の好きなドラマが少し前に放送していた月9なのに対して

先生の好きなドラマは私が小学校低学年の頃に流行った恋愛モノのドラマ。

勿論、私は観たコトがない。

それを言うと先生はそのドラマがどんな話で、どこのシーンが泣けたなど……聞いてもいないのに熱く語り始めた。

先生の話は聞いていて飽きないけど。

ひと通りそのドラマについて知った頃、私は以前から気になってたコトを聞いた。

「先生って何歳なんですか?」

見た目、23~25歳位?基準となる男の人が側に居ないから分からない。

だけど、茶髪でピアスの穴がある横顔はスーツを着ていても少し若く見えた。

「んー永遠のセブンティーン☆」

……誤魔化された。しかも、いい歳をした(多分)大人がピースとウィンク付きで。

そんな姿もまた可愛いと思うけど。それを口にできるハズもなく、可愛くない私から出てきたのは憎まれ口。

「……リアクションが古いですよ」

「うわっ、女子高生に言われるとキツイなぁ」

「私まだ女子高生ぢゃないですもん」

正確には中学生以上、高校生未満。
中学校は卒業したけど、高校はまだ入学していないから。

「……なんか余計凹むわぁ」

また、先生の反応が可笑しくて笑う。私につられて先生も笑う。





そんなやりとり、そんな時間。
ずっと続くと思ってた、この時間……