雨は一向に止む気配はなく

益々私の気分は重く、暗くなるばかり。

「……雨、止まないね」

私達は学校近くのファミレスに急遽避難をしたけど
お互い会話をどうしていいか分からなかった。

入学式の時はふーが声をかけてくてた。

屈託のない笑顔で、明るい声で話しかけてくれた。
それ以来いつも一緒にいた。……最近は違ったけど。

そういえば、いつも話始めるのはふーばかりだった。

「……うん、そうだね」

私はつまらない返答しか出来ない。

「……びっくり、した?」

「……………うん」

私は窓の外を見たまま。雲は重く雨は一向に止む気配は無い。

ふーがどんな表情をしているのか分からなかった。

私が今どんな表情をしているのかも
どんな表情をしていいのかも分からないのに。

「……なんにも聞かないんだね」

少し、残念そうなふーの声。

「……聞きたいことがありすぎて」

「だよね……そっか、そうだよね……」

「私が……聞いていいの?」

「……誰かに知って欲しかったの、私の初恋」

そう言って、ふーは話してくれた。
彼女の最初で最後の精一杯の初恋の話を……