中庭のベンチに城先輩と座り、城先輩からご馳走になったアイスを食べつつ話をしていた。

「ところで原野はどうした?」

「……分からないです」

最近、ふーは部活に参加をしていなかった。

放課後のクラス制作にも参加をしていない。

昼休みも30分で私とお弁当を食べた後はどこかに行ってしまう。

私達の間にあるのは「古典が理解出来ない」とかや「昨日のドラマの内容」といった当たり障りのない会話ばかりだった。

「……そうか」

「……すみません」

「蜜花が謝る必要はない。なぁ原野はもしかして……」

「え……」

「……いや、なんでもない。蜜花……」

「はい?」

「人間って難しいな。特にココはどう仕様もない」

そう言って先輩は私の心臓を指差した。