早く、先生に会いたい。



「ふーどこに行ってたの?」

私が彼女の姿を見たのは部活が終わり、昇降口で靴を履いている時だった。

「ねぇ……蜜花、ちょっと相談があるんだけど」

「あー……ごめん。これから塾に行かなくちゃ」

いつも笑顔のふーが暗い表情で
いつもよりトーンの低い沈んだ声……

私はそれらに気づかず

ふーより「先生」を選んだ。

「……なら、いいや。また明日ね」

「じゃあ、急ぐから」

















私が、ボタンを掛け違えた。

そのことにすら気づかなくて

ふーも、先生も苦しめた。