ふーの様子が変だと気づいたのは、その日の放課後だった。

「ごめん……今日、先に部活に行っててくれない?」

「うん、いいよ。何か用事?」

「まぁー……ちょっとね」

そう言ったふーが手にしていたのは


数Ⅰの教科書と、ノート。


ふーは部活が終わる時間になっても、音楽室に現れなかった。