「蜜香、こっち」

先生が私を呼んだ方向には……

「……道?」

そこは急な坂道で

草木は自由に生え、気休め程度の石が点々と置かれている。
階段代わりとは思うが、簡単に足を踏み外してしまいそうだった。

唯一、距離が短いのが救い。

「大丈夫そう?」

「大丈夫で……しょう」

明かりもまともについていないので、歩きにくそうだけど。

「……不安やし、手繋ごうか?」

「えぇっ!?」

またいつもの先生の冗談……と思ったけど

「ほな、行くで」

先生は私の右手をぎゅっと握って

私より半歩先を歩いてリードしてくれている。

大きな背中が月明かりに照らされて

ますます先生が格好良く見えた。










だから




































ますます先生を好きになった……