「外に立ってないで中に入ったら?」

中から男の人が出てきた。スリッパの色は深緑……多分、2年生。
身長は低く、顔は「格好いい」と言い難いけど、優しそうな目をしている先輩だった。

『はぁーい』

「元気がいいね。俺は2年の石田。チューバ担当。誰か希望してる子いる?」

手をあげたのは、勿論ふーだった。

「はい。中学校3年間してました」

石田先輩は目を見開き、『心底驚いた』いう表情だった。……その気持ちはよく分かる。

「じゃあ、こっちに来て。他の人は?」

「ホルンです」

「アルトサックスです」

「じゃあ、それぞれ先輩を紹介するから待ってて。……百瀬、吉田こっちに来て」

石田先輩は大声で中から2人の先輩を呼んだ。

「なんだよ……?」

「いっしー声大きいよ……あ、1年生?しかもめっちゃ!可愛い」

出てきた2人の先輩は

私達が言葉を失う位

見学終わった後ふーが

「2人共ずーるぅーいぃー!!」

って大騒ぎする位、モデルみたいに格好いい先輩だった。