「で、川村クンと上手くいったの?」

買い物の後、私達はデパート内にある喫茶店でお茶をしていると、友梨が突然脈絡の無い話をし始めた。

「なんで川村クン……?」

席に着いて一言目がそれだったので、私には全く意味が分からない。

何故、いきなり小・中学校同じクラスの男子の話になるのだろう?

「……え……本気で言ってるの?」

こんなに固まる友梨は珍しかった。いつもは「饒舌」という言葉がぴったりな位よく喋るのに。

「だから、川村クンがどうかしたの?」

呆れた友梨の顔。

「……卒業式の後、川村クンから呼び出されなかった?」

3週間前の記憶を手繰り寄せて、卒業式の日を思い出す。……ここで友梨に「覚えてない」なんて言うと更に怒られそうだったし。

「あー……そういえば」

たしか、呼び出された気が。

「そこでさッ!」

友梨は急に目を輝かせる。
一体、何を期待しているのだろう?

「でも……」

「でもぉ?」

一気に不思議そうな表現になる友梨。


何故か分からないけど


……とりあえず、続きの言葉を言ったら

確実に

友梨に怒られる……予感がする。