「まだ少し寒いな」
もうすぐ4月というのに外はまだ少し肌寒かった。
他の先生は教室で見送る人が多いのに、先生は必ず外まで見送ってくれる。
それがまた嬉しいけど……
更に、離れ難くなるだけなのに。
「でも、私はもっと寒い方が好きですね。息が白くなる位の」
桜が満開に咲くこの季節は流石に息を吐いても白くならない。
ふと空を見上げると、隣の敷地から咲いている桜から花びらが数枚風に乗って流れてきた。
私は一枚花びらを掴もうと手を伸ばしたけど、花びらはするりと私の手を避けて地面に落ちていった。
身が引き締まるような寒い季節も好きだけど、夜桜が綺麗なこの季節も好き。
昔、子供の頃にお父さんがドライブで見せてくれた夜桜がすごく綺麗だったから。
「……俺も。なんか身が引き締まるんだよね。でも、俺は夜桜が綺麗なこの季節も好きだな」
「……」
……びっくりした。
まさか先生も同じコトを考えていたなんて。
まるで私の心の中を読まれたみたいに、一緒。
また、一つ『嬉しいコト』が増えた。
先生といると『嬉しいコト』が増えていく気がする。
もっと増えて、私の心に収まらない位に溢れたらいいのにな……。
もうすぐ4月というのに外はまだ少し肌寒かった。
他の先生は教室で見送る人が多いのに、先生は必ず外まで見送ってくれる。
それがまた嬉しいけど……
更に、離れ難くなるだけなのに。
「でも、私はもっと寒い方が好きですね。息が白くなる位の」
桜が満開に咲くこの季節は流石に息を吐いても白くならない。
ふと空を見上げると、隣の敷地から咲いている桜から花びらが数枚風に乗って流れてきた。
私は一枚花びらを掴もうと手を伸ばしたけど、花びらはするりと私の手を避けて地面に落ちていった。
身が引き締まるような寒い季節も好きだけど、夜桜が綺麗なこの季節も好き。
昔、子供の頃にお父さんがドライブで見せてくれた夜桜がすごく綺麗だったから。
「……俺も。なんか身が引き締まるんだよね。でも、俺は夜桜が綺麗なこの季節も好きだな」
「……」
……びっくりした。
まさか先生も同じコトを考えていたなんて。
まるで私の心の中を読まれたみたいに、一緒。
また、一つ『嬉しいコト』が増えた。
先生といると『嬉しいコト』が増えていく気がする。
もっと増えて、私の心に収まらない位に溢れたらいいのにな……。
