野々山先生は、今年入った新任の先生。若くて頼りになって、男女共にかなりの人気ぶりだ。

菜都は、この野々山先生をかなり信頼していて、俺とのことを全て話しているらしい。
だから俺は、野々山先生を前にすると、なんだか恐縮してしまうのだ。




「昨日のことも、青山くんが何を聞きたいかもなんとなく分かるから。私から言えるのは…」


野々山先生は自分の席に座ると、そう一言言って机の上から何かを探している。


「あ、あった。これ、仲直りのヒント」

「これって、明日…?」

「そう。明日の土曜日」


野々山先生が出したのは、一枚のチラシ。それは、明日土曜日に開催される花火大会のチラシだった。