俺がひたすら菜都のことを考えていると、目の前の隆太郎がため息をついた。


「海、鈍感で単純だから、気が付かないうちになっちゃんのこと傷つけちゃったのかもよ?」

「え…」


隆太郎の言葉に、ひたすら働いていた頭が一瞬停止する。

やっぱり俺が、傷つけちゃったのかな…?
だとしたら、菜都は俺の知らないところで悲しんでるのか…?




どんどんネガティブになっていく俺に、隆太郎がまたため息をつく。


「とりあえずさ、詳しく教えてくれない?喧嘩の状況」

「昨日の放課後、菜都が委員会だって言うから待ってたんだよ…」


それから俺は、思い出したくない昨日のことを隆太郎に話し始めた。