「で、またなっちゃんと喧嘩しちゃったわけ?」

「そうなんです隆ちゃん。……助けて」

「嫌だ」

「白状者ーぉ!」




最悪の放課後を過ごしてしまった翌日。

俺、青山海(あおやま かい)は、親友の隆ちゃんこと矢野隆太郎(やの りゅうたろう)に、教室の端っこで昨日のことを報告していた。


隆太郎が言った、なっちゃんというのは、俺の彼女の間宮菜都(まみや なつ)のことである。

俺と菜都は、昨日よく分からないのだが、喧嘩してしまったのだ。
一日たった今でも、なぜ昨日菜都がいきなり怒り始めたか分からない。