「え…」


菜都の言葉に、俺は無意識に振り向いた。
すると、菜都は笑っていた。


「ふふっ。この場所に呼び出すなんて、海らしいね」

「菜都、…怒ってたんじゃないの?」


あまりにも拍子抜けする菜都の態度に、俺はとても驚いた。


「確かに、今日のことを話した時に聞いてなかった海には腹が立ったけど、でもちゃんとこうやって、今日ここに私を呼んでくれたでしょ?」

「菜都…」

「だからね、もう良いの――ひゃっ!?」


そう言った菜都を、俺は抑えきれずに抱きしめた。
すると、頭上が淡く光るとともに、大きな音が響いた。