「そっか…。この花火大会、明日なんだ…」


チラシを見て、俺の中で全てが繋がった。

菜都が怒った本当の理由も、そして、俺が今からどうするべきかも分かった。


「菜都ちゃんの心、分かった?」

「は、はい…」


野々山先生は相変わらずニコニコ笑顔。

菜都の心中が分かった俺は、とりあえず居ても立ってもいられなくなり、野々山先生の出してくれたコーヒーに口をつけることなく職員室を飛び出した。


「あ、ありがとうございます…!」

「いーえー」


野々山先生は、やっぱり満面の笑みで俺を見送ってくれた。




俺はバカだから、忘れていたんだ。

一年前の、大事な日のことを。