「俺、やっぱ、心配だよ…」

カズが呟いた。

「ショーンはさぁ、妹、欲しかったんだって。ショーンのお母さん、妹を産む時、一緒に亡くなったんだってさぁ~パパが言ってた」

みんなで生まれてくる妹を
待ち望んでたショーンの家族、
母と妹、
同時に二人を亡くして、
どんなに悲しかっただろうな…

「だから、あたしのこと、妹みたいに思ってると思う」

ママとパパもそう言ってた。

「でも、あいつ、感情表現、ストレートだかんなぁ」

「だから、なにさぁ」

「俺、自分が平常心でいられるか、自信ない。お前に、滅茶苦茶、ヤキモチ妬きそうだよ…」

「ハハ、嬉しい」

「笑いことじゃないっ!」

あたし、
ちょっぴり厳しい気持ちで
カズの顔を覗きこんだ、

「カズ、唯ママにはショウがいるし、パパには仕事がある。まだ日本に慣れないショーンの面倒は、あたしが見ることになってんだよ。あたし、英語、自信ないからさぁ、マユにも助っ人頼もうとは思ってるけど…あんた、一々それにヤキモチ妬いてたら、身、もたないよ~」

「人事みたいに言うなよ…」

「ショーンは家族だよ、カズとは違う。あたしはさぁ、何時だって、カズに恋してるんだから…」

あたし、カズにキスした。

カズを特別に想う気持ち、
解って欲しくて…

「サキ…」

「ほら、あたし、カズとキスすると、こんなに心の中が温かくなるんだ…ショーンの挨拶のキスとは全然違うよ!」

「サキ、ごめん…嗚呼、俺って、ガキだなぁ~早く、お前の先を歩けるようになりてぇよ」

「一緒に歩いていけばいいじゃん、一緒にさぁ」