秘密~「ひみつ」のこと

「サキ、ちょっと席を外してなさい」

「うん」

サキは素直に、
二階の自分の部屋へ上がっていった。

「ユイ、どうしたんだい?話してごらん?」

「サキ…あたしの、子…」

嗚咽の中から、
やっと声を絞り出した。

「高三のときに生んだ、あたしの子、なんであの子が…」

「ユイ?」

「あたしは、子供を捨てた、人生の落伍者…」

顔が上げられない…
嗚呼、あたしを見ないで!

震えるあたしを、
翔一さんはしっかりと抱きしめた。
嗚呼、
翔一さんの温もり、
あたし、
この場所からも逃げ出さないといけないの?

「軽蔑する?するよね。あたしだって自分を軽蔑する。もう、あたしのことは放っておいて!」

「そんな風に考えちゃいけないよ。君はまだ幼かった。今のサキと同じ年頃だ…」

翔一さんの優しい声が、
心に沁みるよ…