大好きだった

「誰?翔ちゃん?」


自分では冷静に言ったつもりだった


でも意外に必死だったらしく

「違うよ、舞花ちゃん大丈夫?」と啓太くんは、立ち上がり私を絨毯の上に そっと座らせてくれた。


考えてみれば、まだ中学を昨日卒業したばかりの小娘が、自分の彼氏が他の女と一緒にいて、連絡も無いなんて、冷静でいられる訳はない


でも啓太くんの前で、泣き叫ぶなんて出来ない

「あっ…ばーちゃんの病院行かないと」


ばーちゃんに洗濯した物を持って行かないといけない事を思いだした。


「乗せて行こうか?」


「ううん、仕事前に寄って行くし」


「仕事行くの?」


「休めないし…」


化粧品を出して、鏡の前に座るけど、手が動かない


「やっぱり…休む」


どうしても化粧を する気になれなかった


頭も上手く働かない


携帯を手に取り翔ちゃんに電話をかける


長いコール


出る気配もなく…連続で5回リダイアルした私を止めたのは、啓太くんだった。


「舞花ちゃん…」


切なく呼ばれた名前に顔を上げると


「俺じゃ…ダメか?」


突然の告白に、私は携帯を手放し、また俯いた