「神田さんて、有名ですよね~」


「そんな事ねぇよ」


素っ気なく答えた翔ちゃんに


「ホントですよー、私の友達だって、神田さんと仲良くなりたいって子たーくさんいますよ!」


力説する私に


「あっ…わかったから、もう少し声落として」


と人差し指を口にあてた。

口を覆って頭を下げた私に

「わっかいねぇー」


親方とママの笑い声が聞こえた。


翔ちゃんは、苦笑いをして、親方に頭を小さく下げた。

それから、何度か店に来てくれてて


集会でも、私を探してくれる様になった。


「おぉ~舞花きてたんか?」


「あっ神田さん」


手を振った私に近づいてきてくれて


「今日バイトは?」


なんて聞いてくれたりして。


友達からは


「舞花だけズルイ~」


なんて頭を叩かれたりした。